セミオーダーの既成のデザイン枠について

[ 投稿日時 ] 2022/2/24 13:51
[ カテゴリ ] ジュエリーリフォームのこと

ジュエリーリフォームの方法は

・ フルオーダー
・ セミオーダー

の2つの方法に分類されます。

後者のセミオーダーは、既成枠(その名の通りすでに出来上がっている枠)にお客様がお持ちの宝石を乗せてお作りするリフォームになります。

その既成のデザイン枠についてご説明をしていきたいと思います。



こちらが既成のデザイン枠。
石などが留められていない地金だけの状態です。

当店では、指輪、ネックレスなどを含めると、300種類以上のデザインがあります。

では、
「その中から好みのデザインを自由に選べるのか?」

実はそうではないんですね。

お客さまのお持ちの宝石のサイズによって、対応ができる枠、そして対応ができない枠があります。

1・ ダイヤモンドの既成枠について


こちら当店でも人気のダイヤモンド用のデザイン枠になります。

このデザインについては、
・ 0.3ct用
・ 0.5ct用
・ 0.7ct用
・ 1.0ct用
・ 1.5ct用
・ 2.0ct用
・ 3.0ct用

と石のサイズによってお使いする枠が揃えられています。
このデザインはとても人気があるので、色々なサイズに対応できるようになっています。

一方で、


少し個性的なこちらのデザイン。

このデザインについては、

・ 0.2ct用
・ 0.3ct用
・ 0.5ct用

と3つのサイズのご用意になります。

傾向として、少し個性のあるデザインについては対応枠が少なくなっています。

さて、ここで素朴な質問
「0.4ctだったり0.6ctの石とかはリフォームできないの??」

いえ、そんなことはありません。
「0.3ct用」とありますが、0.3ctジャストではないといけない。ということっはありません。

0.3ct用だったら、0.2~0.4ctの間の石などある程度、融通を聞かせて留めることができます。

よくあるパターンとしては、
0.4ctのダイヤをリフォームする際に、0.3ct用と0.5ct用の枠のどちらを使うか?という事例。

ご存じの方も多いかと思いますが、
ct(カラット)は重さの単位になります。

1ct=0.2gになります。

つまりは、同じ1カラットでも、見た目の場面が大きい1ctの石もあれば、
見た目は少し小さいけども少し深さのある1ctの石もあるわけですね。

となると、先の0.4ctのダイヤを0.3ct用の枠か0.5ct用の枠のどちらかを使うと言えば、実際に枠に乗せてみてバランスの良い方を使うという流れになります。

一部例外的に、お持ちのダイヤモンドが0.7ct。
希望しているデザイン枠が0.5ctのものしかない・・・。

ご希望されてるデザインにもよりけりですが、場合によってはダイヤが留まる部分の台座を少し改作してお作りできる可能性もありますので、ご相談いただければと思います。

2. ハーフエタニティーのような複数石の利用の既成枠について


人気のハーフエタニティーの指輪。
このようなダイヤを複数石使うデザインについても既成のデザイン枠があります。

例えばこちらの画像のデザインでしたら、

・ メレダイヤが17pcでトータルで0.221ct(1pcが0.013ct)
・ メレダイヤが15pcでトータルが0.33ct(1pcが0.022ct)
・ メレダイヤが13pcでトータルが0.45ct(1pcが0.035ct)

のようにダイヤの数と1pcあたりの大きさが決まってます。

このへんもおおよそのサイズで一つの目安になっています。
多少前後しても十分にこの既成枠が使えるかと思います。

一方で、お持ちのダイヤが規格と合わない場合はフルオーダーで同様の
デザインでお作りする形になります(コストは当然あがってしまうのですが・・)

3. カラーストーンの既成枠について

ルビー・サファイヤ・エメラルドなどに代表される色石。
こちらも既成のデザイン枠が用意されています。

ただ、こちらについてはダイヤモンドよりも難解です・・。

ダイヤモンドについてはある程度カットが定まってくるので、
石の重さ(〇〇カラット)が決まれば、必然的に石の直径サイズなどが決まってきます。

一方で、色石の場合は、石の重さ(〇〇カラット)ではサイズが決まらないので、石のタテのサイズ(〇〇mm)と横のサイズ(〇〇mm)によってデザイン枠の利用の可否が決まってきます。

例えば、タテ8㎜ 横6㎜のルビーがあるとします。

業界の公式として
(タテサイズ〇mm+ヨコサイズ〇mm)x10
というものがあり、

これにあてはめてみると、この石は140サイズの石と呼びます。


例えばこのデザインについては
・ 100サイズ ・120サイズ ・140サイズ ・ 160サイズ
・ 180サイズ ・200サイズ ・220サイズ ・ 240サイズ
・ 250サイズ ・260サイズ ・280サイズ ・ 300サイズ
・ 320サイズ
が対応可能なデザインとなっています。

シンプルで人気のあるデザインなので多くのサイズに対応しているデザインとなっています。

先のルビーに関して言えば140サイズなのでこのリフォーム枠を使うことが可能ということになります。

ダイヤモンドの枠の時と同様に、中途半端なサイズの石の場合は前後の対応枠に実際に乗せて、どちらの枠を使うかをチョイスいたします。

※ カラーストーンにはたまにとても厚み(深さ)のある石があります。
  極端に厚みがある石は既成枠で対応できないこともありますので注意が
  必要です。

4. パール(真珠)の既成枠について


パールも考え方としては同様です。

先のダイヤモンドはカラット数で、カラーストーンはタテヨコのサイズで枠の対応が決まりました。

パールについては珠の直径サイズ(〇〇mm)によって、使える既成枠がきまってきます。

ご紹介した上のデザインは
・ 9㎜珠 ・10㎜珠 ・11㎜珠 ・12mm
珠に対応してる既成枠になります。

5. 最後に

既成枠を使う際のルールについて説明をしてきましたが、ペンダントの枠についても指輪と同様の考え方になります。

また上に挙げたデザインはメインの石の横にメレダイヤが留まっています。

このメレダイヤについても使用可能なサイズが決まってきます。

リフォームする際にメインの石だけではなく、周りにつかうメレダイヤの規格にあったものをお客様がお持ちであれば使えますし、もしなければ、お店の側が新規にメレダイヤを調達してお作りすることになります。

なかなかメレダイヤのサイズまでがズバリ一致するケースは少ないのですが、もし使えるダイヤがあればリフォーム代金も抑えることができますので、ぜひご相談してみてください。

メールやLINEで当店にご相談いただく場合には、可能であれば、お持ちの宝石のサイズを測っていただければ、ご提案がスムーズになるかと思います。









 

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お客さまとの出会い、ジュエリーとの出会い、仲間との出会い。日々の心温まる出来事を自然体で綴る店長、越野泰明のブログです。

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