立て爪指輪の歴史を紐解いてみる

[ 投稿日時 ] 2015/9/11 09:33
[ カテゴリ ] ジュエリーリフォームのこと

当店でリフォームのご相談をお聞きさせていただくジュエリーの中で
圧倒的に多いのがこのデザイン。

立て爪 指輪リフォーム

「立て爪」だったり、中には「鬼爪」。

そして多くの人はこの指輪のことを

「昔ならではの指輪」とおっしゃります。

昔の婚約指輪ってほぼこのデザインに統一されてたんだろうなあ~
なんていつも考え、お客さまともお話させていただくのですが、

ふと、自分の頭に浮かんだ疑問・・・

「いったい、いつ頃からこの立て爪の指輪が登場したんだろう・・」

なかなか、それに対する答えは色々と調べましたが、見つかりません。

ご存知、ティファニー社が1800年代の後半に、このような指輪を
作り出した歴史はかかれてますが、一体、日本ではいつの頃から・・?

お越しになるお客さまとの会話の中にヒントがあるのかなと・・

「自身の婚約指輪」は多いですが、それ以外に「お母さんから譲り受けた指輪」そして「おばあさんから譲り受けた指輪」

そんな声が聞かれます。じゃあ、その譲り受けたご本人のご年齢から
逆算してみると・・。

あくまでも推測の域ですが、戦後まもなく1955年ごろぐらいから、
こういう指輪が登場したのではないかと・・。

確かに戦時中は物資が困窮してたと聞きますから、こういう貴金属を
おくるなどという習慣は無かったかと・・。

ほんと、あくまでも推測ですよ。間違ってたらごめんなさい。。

そんな指輪の歴史を紐解いている時に思ったこと。

今、ご相談をいただくジュエリーのリフォーム。
そのジュエリーのルーツを辿ってみると、やはり「おばあさん」から譲り受けたもの。

どうしてもご相談者のご年齢が若くて30代ぐらい。
そうなると必然的に、「おばあさん」の世代が限界なのかなと・・。

言い換えるなら

「3世代に渡るジュエリー」となるわけです。

どうでしょう。これが100年先、200年先。
4代目、そして5代目、6代目。
と次世代に引き継がれていけば・・・。

「昭和の○○おばちゃんが使ってた宝石!」

今に、置き換えると、
「江戸時代の○○おばちゃんが使ってた宝石!」

何かすごくありませんか?

なかなか、そうやって身の回りで子孫に残せるものってあるでしょうか?

もしかしたら、ジュエリーってそんな役目を担える貴重なものになる
可能性が秘めてるのでないか?

そんな気がするんですよね。

そういう視点で宝石を捉えると、今、ボクがやってる仕事って重責だなあ~って思いますね。

でも、そうやって次世代に受け継がれるジュエリー作りのお手伝いが
できるのは幸せなことだと思います。


 

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お客さまとの出会い、ジュエリーとの出会い、仲間との出会い。日々の心温まる出来事を自然体で綴る店長、越野泰明のブログです。

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