エンディングジュエリーのお手伝い
[ 投稿日時 ] 2016/2/5 15:21
[ カテゴリ ] ジュエリーリフォームのこと
ジュエリーのリフォームのお手伝いをさせていただき、
出来上がった商品を見て喜ぶお客さまの笑顔に接することができ、
そしてちょっとした幸せのおすそ分けをいただける。
お客さまからも、
「素敵な仕事ですね」
と声をかけていただくことも。
一方、時には心を痛めるようなご依頼があることもしばし。
ご依頼主は女性のお客さま。
実はそのお客さまのお兄さんが離島にお住まいで、そのお兄さんが
病気で死期が迫ってきているとのことをお聞きしました。
生きてる間に自分が大切にしてたこの指輪をリフォームして嫁(奥さん)そして娘夫婦に形見としてあげて欲しい。
そんなお兄さんの意思を受けて、相談にご来店いただきました。
こちらがその指輪。
「印台(いんだい)」とも呼ばれるこの指輪。
ダイヤはネックレスにして奥さまに。
そして地金部分は一度溶かして、娘さん夫婦のペアリングに
したいとのご要望でした。
なんせ残された時間は少ないので出来るだけ早く・・
とのご依頼でした。
事情が事情なので職人も全力でお作りさせていただきました。
こちらが娘さん夫婦に受け継ぐペアリング。指輪と溶かして
綺麗に加工させていただきました。
そしてこちらが奥さまへのダイヤのペンダントです。
ご依頼いただいたお客さまにお渡しさせていただきました。
妹さま(お客さま)からは深く御礼の言葉をいただきましたが、
正直、心苦しいばかりでした。
今は緩和ケアに入っておられるそうです。その後の経過は聞き及んで
いませんが、ご家族と共に残された時間を健やかに過ごされることを願うばかりです。
このようなお仕事をさせていただいてる以上、ご依頼主の相談内容によって背を向けることはできません。
時には心痛ましいご相談もあります。
でも、大切なのは一人の人間として、ご依頼主の声に耳を傾けること。
どのようなケースでもお客さまのご希望を叶えるために努力を惜しまずに
取り組んでいきたいと思います。
ご本人の想いがたくさん詰まったジュエリーがいつまでも、譲り受けた人の中で生き続けてくれたらいいなと思います。