シチズン宝飾 解散
[ 2020/2/1 09:33 ]
昨日、大きなニュースが飛び込んできました。
シチズン時計、子会社「シチズン宝飾」の解散、一部事業譲渡を発表
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP528075_R30C20A1000000/
噂には聞いていたものの、まさかこうやって現実になると色々と考えさせられます。
「シチズン宝飾」との取引はぼぼなくなってはいるのですが、当店の歴史を振り返ったときに同社の存在は欠かせないものとして語ることができます。
当時、父はシチズン関連の会社に勤めていました。
そして、独立当時、関係者の方から、
「越野くん、独立するにしてもシチズンという大きな傘の下で商売したほうがいいよ」
そんなアドバイスをもらったそうです。
それは後にいつも父が僕に聞かせてくれた話です。
そして、父は「越野宝商」という会社を創業し、シチズンの宝飾事業の代理店として出発をしました。
父の努力、そして時代の流れもあったのでしょうか。
たくさんの得意先を開拓し、シチズンの代理店として多くの功績を残しました。シチズン社としても欠かせないビジネスパートナーになっていたのだと思います。
僕がサラリーマンを辞め、家業に戻ったときも
「越野さんの息子さんが帰ってきた!!」
そんな風にチヤホヤされたことを思い出します。
シチズン社の主催するユーザー向けの展示会は日本一の展示会とも言われ、業界のリーダー的存在だったかと思います。
デパート、宝飾店のVIPのお客様をお連れする日本一の展示会。
業界の中ではそんなイメージさえも定着していたように思います。
当社、越野宝商もシチズンの代理店としての業務と並行して、色石、カラーストーンをシチズン社に卸す、という立場を兼務させていただくようになりました。
シチズン社は当社の上仕入れ先であると共に上得意先でもある。
ちょっと例外的な立場であったように思えます。
つまりはシチズン社と一蓮托生だったと言っても過言ではなかったと思います。
また周囲からは
「あのような大手とガッツリやってるので安心」
そんな羨望の声も聞かれたほどです。
時代は過ぎ、徐々に世の中の動きも変わりつつありました。
その中で、あとになって当社のターニングポイントとなるべき、
「大口得意先の倒産」
この事故が引き金となり、越野宝商という会社は清算することに至りました。
僕は完全、崖っぷちでした。
そして将来を見据え、新たな自分の会社を立ち上げ、
「卸業から小売業への転換」
を志すことを決意しました。
とはいえ、当時はそのまま越野宝商の仕事を引き継ぎ、徐々に小売業へシフトしていくという計画を立てました。
そして色々な苦労であったり、思慮を重ねて作ったのが今のお店
「箕面のちいさな宝石屋」であります。
世の中わからないもので、もしあの得意先の倒産というターニングポイントがなければ、今どうなってただろうか・・と思うとゾッとします。
恐らくシチズン社との商売を頼りに、従来の系譜に沿った仕事を続けていたように思えます。
つくづく自分は運がいいな・・。
昨日のニュースを受けたときの自分の率直な感想です。
自分が父親の会社に入ったのが約20年前です。
その20年という間に目まぐるしく時代は変わり、大きな会社でさえも
経営を存続させること難しくなることがあるんだな・・と思います。
視点を変えてみれば、少し辛辣な評価になりますが、
大きな会社だったからこそ時代の流れへの変化が出来なかったのかな・・とも思えます。
改めて、今、自分がこうやって仕事させていただくことへの感謝の気持ちが沸いてきます。これからも大切に大切にお店を続けていきたいと思います。
やっぱり気になるのは、シチズン社の社員の方の今後の動向。。
以前、お世話になった方も多々おられるので・・・。
シチズンのブライダル部門は、事業譲渡されて新たな会社で再スタートするようです。
当社もお客様への販売実績あがるので、アフターフォローなども
きちんとできるかと思うのでそのあたりはホッとしています。
(追記)
2020.07.01 シチズン宝飾のブライダル部門はセントピュール株式会社に譲渡され、セントピュールブランドは継続されております。
セントピュール株式会社のホームページはコチラ
https://www.saintepure.co.jp/
セントピュールブランドをはじめ、愛されてきたブランドが引き継がれるのは嬉しいことですね。
シチズン宝飾にお勤めだった方も全員ではないですが、新たな新会社に転籍して新しい船出をされていることかと思います。
お世話になった方も多いのでぜひ良い会社を作っていただきたいと思います。