どんな男になるねん  鳥内秀晃 著

[ 投稿日時 ] 2020/1/7 10:05
[ カテゴリ ] 読書



社会人を倒して、有終の美を飾る。
そんなストーリーを期待していたのですが・・・。

やはり社会人の壁は高いですね・・・。

皆さんご存じ、学生アメリカンフットボール界の雄。
関西学院ファイターズを率いた鳥内監督の著書。

「どんな男になるねん」

1/3の日本選手権「ライスボウル」をもって勇退された鳥内監督。

先日、「高校ラグビーは頭脳が9割」という本を読みました。
その本に登場してくる高校ラグビーの指導者に共通するのは、人格形成を最優先にした指導をしていることでした。

鳥内監督に至っても、まったく同様にフットボールを通じた人間教育を軸にした指導をされてきたことがこの本に余すところなく描かれています。

印象的なのが毎年4年生を対象に個人面談を行い、本のタイトルにもある
「どんな男になるねん?」と問いかける。

「ファイターズの4年生」

経験したことのある人にしかわからないであろう世界がそこにはあるんだと思います。

「少し怖いオッサン」
そんな強面なイメージの鳥内監督。

僕はファイターズのOBの方と多くと親交があるのですが、鳥内監督の話になると、まず出てくるのが予想を裏切らず「怖い」という声が・・・

一方、なぜか多くのOBが独特の語り口の鳥内監督のモノマネをしてみせる(笑)そのモノマネの仕方がみんな一緒です。

また学生時代は怖くても、社会人になれば「いいオッサン」としてお付き合いが続くそうです。

そんなところに鳥内監督の温かさがわかるような気がします。

この著書の最後の章では、以前に合宿中に亡くなった平郡雷太君のことが書かれてます。

懺悔の念。そしてご家族への配慮。

きっとこのような自叙伝を出版にするにあたっても、平郡君を亡くしたことへの後悔が色濃く残り、そのことに触れずして本が美化されてしまうことを危惧されたのではないかな・と思います。

今でも毎月、平郡君の自宅を訪れては線香をあげてお詣りをされるそうです。

胸に来るものがあり、鳥内監督自身の人間性を感じるエピソードですね。

鳥内監督。これからどうされるんでしょうか?
まだまだフットボール界に欠かせない存在であるように思います。

長きにわたる監督生活お疲れ様でした。
きっと「鳥内イズム」はこれからもファイターズに伝承されると思います。

アメフト関係者、スポーツの指導者のみならず、
多くの方に読んでもらいたい一冊です。





 

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